2023年10月、神奈川県川崎市にある日本理化学工業様を訪問しました。
2023年夏の24時間テレビ46スペシャルドラマ『虹色のチョーク 知的障がい者と歩んだ町工場のキセキ』のモデルにもなった、主にチョークを製造・販売する企業です。
ドラマをご覧になった方や、ガラスに描けるチョーク「キットパス」をご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
日本理化学工業様は1960年に知的障がいのある女性を雇用したことをきっかけに、障がいのある方を積極的に雇用し、現在は全社員約90名のうちなんと7割を占めるのが障がいのある社員です。
実際に会社にお邪魔して感じることのできた企業としての在り方や、障害を持つ子の親としての希望についてお伝えします。
ここは障がいがある人も、ない人も、本当に一緒に働いている
訪問時、一人の女性社員さんがお茶を出してくださいました。
「ありがとうございます」とお伝えするとその社員さんも一礼して退室されました。
この一連の流れはきっと珍しい光景ではないと思います。
後でわかったことなのですが、お茶を出してくださった社員さんは障がいのある方でした。
障がいのある社員さんがお茶を出してくれる企業は珍しいのではないかと思います。
それは差別をしているわけではなくて、きっと「障がいのない社員がお茶を出す」ということが当たり前になっているからです。
知らず知らずのうちに、障がいある人とない人の間に、仕事の線引きをしていたということに私自身が気が付いていなかった……ということにハッとしました。
「ここは障がいがある人も、ない人も、本当に一緒に働いているんだ」
頭ではわかっているつもりだったそのことを、実感できた瞬間でした。
日本の社会の中に そして 障がい児の親である私の中に 無自覚に染みついている 先入観や思い込み。 日本理化学工業様を見学して 様々な気付きがありました。
(②へ続く)