日本理化学工業の工場で働く皆さんのお仕事を見学させていただきました。
それぞれの人に役割や居場所があり、すべての仕事がリスペクトされていることが伝わってきます。
お互いのできることを認め合い尊重し、尊敬する。それぞれの「できる」ことを承認し、お互いに「ありがとう」と言い合い、受け止め合う。
障がいの有無は関係なく、助ける助けられるという立場ではなく、同じ目線で、お互いのできることを認め合う。
仕事が「できるorできない」は人との比較ではなく、その業務ができるかどうかの絶対評価。障がいの有無は関係ありません。
これは、今はまだ、社会的には当たり前ではありません。でも、日本理化学工業様ではすでに実現しています。
社員の皆さんの居心地のよさが伝わる清々しい工場だと感じ、社員の皆さんの真剣なまなざしに感銘を受けました。このような職場だからこそドラマのように新たな商品が生まれたのだろうなと。
でも実際には、「ドラマほどは簡単ではなかったんです」と社長の大山さん。
様々なご苦労がある中でも、大山さんは、社員の皆さんの「頑張りたい」という想いや「今日より明日」「もっとうまくなりたい」と前を向いて頑張っている姿勢にいつも励まされているのだそう。
そんな社長さんが率いる日本理化学工業様では、可能な限り継続的に障がいのある社員を採用しておられます。支援学校や開発訓練校に通う学生さんの実習を通し、定年までしっかり働く意思があるのかを確認しておられるそうです。就労へのプロセスとしては3回の実習を通して、ご本人の意思、ご家族の意思(就労を継続してサポートいただけるか)、学校側の意思も大切にしておられます。
「障がいある社員をとにかく採用しよう!」ではなく、会社と共に家族も学校もチームとなり、入社する社員の未来を見据え、長い目線で大切に育てられている姿が伝わってきました。障がい者を育てる親として、お話をお聞きし胸が熱くなりました。
また、「障がいのある社員に合わせて仕事の手順を変えたりすることを手間だと感じたり、嫌だと思う社員はいないんですか?」
そんな質問をした私に社長はさらっとおっしゃいました。
「うちの会社は障がい者のほうが多いからね。障がい者がマジョリティで、健常者はマイノリティですから」
なるほど…‥!!
世の中は意図せずとも多数派側がにとって都合がよい仕組みになっていることが多いです。
ということは、この会社は、多数派である「障がいがある人」にとってよりよい形を目指すことが根付いている。そのことが理解できました。
(③に続く)